ブロックしたのに別のアカウントから連絡が来る。SNSに知らない名前からメッセージが届く。会う約束もしていないのに、家の近くで見かけた気がする——こうなったとき、いちばんやってはいけないのは一人で判断して、記録を消してしまうことです。この記事では、連絡を断ったあとも接触が続くときの手順を、記録・遮断・相談の順に整理します。
編集注:本記事は一般的な対応の流れをまとめたものです。法的な判断や個別の対応については、警察・弁護士などの専門機関にご相談ください。身の危険を感じる状況では、この記事を読むより先に110番してください。
01先に結論:記録を消さない・返信しない・一人で抱えない
順番はこの3つです。とくに1つ目が抜けると、あとの選択肢が減ります。
やる:スクリーンショットを撮る/日時をメモする/信頼できる人に共有する
やらない:返信する/説得しようとする/怒りの返事を送る/履歴を消す
絶対にやらない:会って話をつけようとする
気持ちとしては、はっきり言えば終わると思いたくなります。ただ、反応があること自体が相手にとっての手応えになることがあります。無視は冷たい対応ではなく、有効な対応です。
02ステップ1|記録を残す
あとから相談するときに、いちばん効くのが記録です。感情的になっているときほど消したくなりますが、消さないでください。
残すもの
- メッセージのスクリーンショット(日時が写る形で)
- 相手のプロフィール画面(名前・写真・IDが分かるもの)
- 着信履歴(時刻が分かる形で)
- 届いた物・郵便物があれば、その写真
- 見かけた・後をつけられたと感じたら、その日時と場所をメモ
残し方のコツ
- 端末だけでなく、クラウドや別の場所にもコピーしておく(端末を失くしても残る)
- 出来事は箇条書きで、日付順に1つのメモにまとめる
- 「怖いと感じた」という主観も書いておいてよい(あとで状況を説明するときに役立ちます)
03ステップ2|連絡経路を1つずつ塞ぐ
ブロックしても別の経路から来る場合、経路が複数残っていることがほとんどです。思いつく限り全部を一度に塞ぐのが基本です。
| 経路 | やること |
|---|---|
| マッチングアプリ | ブロック+通報。相手が作り直す場合に備え、通報記録を残す |
| LINE | ブロック+非表示。ID検索・電話番号での検索を無効化 |
| SNS(各種) | ブロック+非公開設定。フォロワーの整理も一度行う |
| 電話・SMS | 端末の着信拒否。番号を変える判断も選択肢に入れてよい |
| メール | 受信拒否設定 |
| 共通の知人経由 | 事情を伝え、こちらの情報を渡さないよう頼む |
とくに見落とされやすいのが共通の知人です。悪意なく現在の状況を伝えてしまうことがあります。「連絡を取っていないので、私のことは何も伝えないでほしい」と、はっきり頼んでおいてください。
SNSからたどられるのを防ぐ設定は身バレを防ぐ方法に、そもそもどこまでの情報を渡すかの線引きは載せていい情報・ダメな情報にまとめています。
04ステップ3|アプリと各サービスに通報する
ブロックだけで終わらせず、運営に通報するところまでやってください。理由は2つあります。
- 同じ相手が別の人に同じことをするのを止められる可能性がある
- 通報の記録が、あとで状況を説明するときの材料になる
通報するときは、事実だけを簡潔に書きます。日時、何があったか、こちらが何をしたか。感情的な表現より、時系列のほうが伝わります。通報の手順そのものはブロック・通報の仕方にまとめています。
05ステップ4|相談先を知っておく
「まだ大したことじゃないから」と相談をためらう人がとても多いのですが、相談は被害が大きくなってからするものではありません。記録を持って早めに相談しておくほうが、選べる手が多くなります。
- 警察相談専用電話「#9110」:緊急ではないけれど相談したいとき。つきまとい・待ち伏せ・しつこい連絡なども対象です
- 110番:身の危険を感じる、今まさに接触されているとき
- 各都道府県警の相談窓口:ストーカーやDVの専用窓口が設けられていることがあります
- 法テラス(日本司法支援センター):法的な手段を検討したいとき
- 消費者ホットライン「188」:金銭が絡む被害があるとき
日本には、つきまとい行為を規制する法律があり、警察から相手への警告や、さらに強い措置につながる制度も設けられています。どこまでの対応が可能かは状況によって変わるので、まずは記録を持って相談窓口に事実を伝えるのが確実です。
金銭が絡んでいる場合は、別の枠組みの被害である可能性もあります。ロマンス詐欺の見分け方も確認してください。
06やってはいけない対応
よかれと思ってやってしまいがちな対応の中に、状況を長引かせるものがあります。
- はっきり断るために返信する:反応そのものが相手の目的になっている場合、続きます
- 説得する・話し合おうとする:対等な話し合いが成立する状態ではありません
- 会って終わりにする:もっとも危険です。人目のある場所でも避けてください
- SNSで公開して牽制する:相手を刺激するうえ、あなたの情報も広がります
- 記録を消す:怖くなって消したくなりますが、あとで選択肢を失います
- 一人で抱える:状況を知っている人がいない、がいちばん危険です
07身の回りの安全確認
念のため、次の点も確認しておいてください。過剰ではありません。
- SNSの過去の投稿から、自宅の最寄り駅や生活圏が分かるものを消す
- 位置情報の共有設定を切る(写真の位置情報も含めて)
- 家族や職場の同僚に、状況を一言だけ共有しておく
- 帰宅ルートを一時的に変える/人通りのある道を選ぶ
- 玄関まわりの施錠を見直す
そして、怖いと感じている自分の感覚を疑わないでください。「気にしすぎかもしれない」と思ったときこそ、記録を残して相談してください。何もなければ、それでいいのです。
08よくある質問
まだ実害がないのに相談していいですか?
してください。相談は被害が大きくなってからするものではありません。むしろ早い段階で記録を持って相談しておくほうが、選べる手が多くなります。警察相談専用電話「#9110」は、緊急ではない相談のための窓口です。
ブロックすると逆上されませんか?
その不安から連絡を続けてしまう人は多いのですが、やり取りが続くほど関係は終わりません。ブロックと同時に記録を残し、周囲に状況を共有しておくのが安全な進め方です。逆上が心配な状況であれば、それ自体を相談窓口に伝えてください。
相手が別のアカウントを作って連絡してきます。
その都度ブロックと通報を繰り返し、すべて記録に残してください。同一人物が繰り返し接触してきていることが分かる記録は、相談するときに重要な材料になります。相手にする必要はありませんが、記録は取り続けてください。
自分にも悪いところがあった気がします。
断ったあとも接触を続けることは、こちらの落ち度とは切り離して考えて構いません。関係の経緯がどうであれ、やめてほしいと伝えたあとの接触は別の問題です。自分を責める必要はありませんし、それを理由に相談をためらわないでください。
09まとめ
連絡を断ったあとも接触が続くときの順番は、記録を残す → 経路を全部塞ぐ → 通報する → 相談するです。返信しない、会わない、記録を消さない。この3つを守れば、選べる手が残ります。
そして、一人で抱えないでください。家族でも友人でも、状況を知っている人が一人いるだけで、動けることが増えます。緊急だと感じたら110番、そうでなければ「#9110」。ためらう必要はありません。


